受付・電話

2026年10月4日公開・更新

診療所の電話対応を減らす前に。
1週間で「何の電話か」を見える化する方法

電話が多いと感じたとき、最初に必要なのは新しい仕組みではありません。電話の目的、時間帯、対応時間、確認先を一週間だけ記録し、現場に合う改善の順番を見つけます。

THE SHORT ANSWER

電話を減らす前に、
電話の中身を分けて見ます。

Web予約へ案内できる電話、受付で定型的に対応できる電話、医療者や管理者の確認が必要な電話は、同じ「一本の電話」でも扱いが異なります。まず一週間、実態を記録してから一つだけ改善します。

診療所の受付担当者が電話を受け、オンライン予約、定型対応、医師や看護師への確認の三つに振り分ける流れを示すイラスト
電話を一律に減らすのではなく、内容に応じて「案内」「定型対応」「院内確認」に分けて考えます。

なぜ、ツール選びより先に記録するのか

受付の電話は、予約、問い合わせ、書類、会計、診療に関する相談などが一つの窓口に集まりやすい仕事です。忙しいと「電話が多い」という印象だけが残り、何を変えるべきかを判断しにくくなります。

医療DXは、システムを増やすこと自体が目的ではありません。厚生労働省は、医療分野のデジタル化を通じてサービスの効率化や質の向上を目指す考え方を示しています。電話対応でも、先に仕事の流れを見える化しておくと、患者さんの安全に関わる連絡を残しながら、案内や運用で軽くできる部分を探せます。

最初の一週間に記録する四つの項目

01

電話の目的

予約、新規受診、予約変更、書類、会計・保険、取引先などに分けます。迷ったものは「その他」に置き、週末に見直します。

02

受電した時間帯

始業前、午前診療中、昼休み、午後診療中、診療終了前後など、院内の流れに合わせて区切ります。

03

対応にかかった時間

一分未満、一分から三分、三分超のように、おおまかに分けます。正確な計測より、長くなりやすい傾向をつかむことが目的です。

04

確認・引き継ぎの有無

受付で完結したか、看護師、医師、事務長などへの確認が必要だったかを残します。

記録した後は、件数の多い電話を一つだけ選びます

予約変更が昼休みに集中しているなら、予約確認の案内やWeb上の導線を見直せるかもしれません。書類の進捗確認で毎回確認が必要なら、受け取りの目安や問い合わせ窓口を院内でそろえる必要があるかもしれません。最初からすべてを変えず、最も多く、運用で改善しやすい電話を一つだけ選びます。

患者さんの安全に関わる電話は、人が確認できる状態を残します

電話を減らすことだけを目標にすると、症状の相談や緊急性を含む連絡まで機械的に扱ってしまうおそれがあります。受付で回答してよい内容、看護師や医師への確認が必要な内容、緊急時の扱いは、各院の診療体制に合わせて決めてください。

電話録音、AI電話、予約システム、外部事業者との連携を検討する場合は、費用や機能だけで判断せず、閲覧権限、本人確認、障害時の連絡、記録の扱いも確認します。患者情報を扱う仕組みでは、厚生労働省の安全管理ガイドラインに沿った確認が必要です。

院内で使うチェック項目

  • 電話の目的を、受付内で同じ基準で分けられる
  • 電話が集中する時間帯を把握できている
  • 受付で回答してよい内容と、確認が必要な内容を決めている
  • 予約変更や書類受け取りの案内が、ホームページと受付で一致している
  • 新しい仕組みを導入する前に、障害時の対応と責任者を決めている
  • 改善後も一週間だけ同じ項目を記録し、変化を確認する予定がある

まとめと次の一歩

電話対応の改善は、大きなシステム導入から始めなくても進められます。まず一週間、電話の目的、時間帯、対応時間、確認の有無を記録してください。その記録をもとに、最も多く、かつ運用で減らせそうな電話を一つ選びます。改善の対象を絞ることで、受付の負担を増やさず、患者さんにとっても分かりやすい連絡方法を考えやすくなります。

出典

本記事は公的機関の公開情報をもとに、Craid Techが診療所運営の観点から編集しています。個別の医療判断、法令解釈、特定製品の推奨を目的とするものではありません。

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